競艇において「向かい風」は、一般に4~6コースに有利に働くといわれています。
その理由はいったいなぜなのでしょうか。
また、向かい風によるレースへの影響を考えた際に、注意すべきポイントは何なのでしょうか。
以下にまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
向かい風とは?
競艇における「向かい風」とは、第1ターンマーク側から第2ターンマーク側に吹く風のことをいいます。
つまり、艇がスタート位置についたときに正面から吹く風のことです。
向かい風がインコースの加速を抑える
向かい風が吹いている、つまり艇の正面から風が吹いている場合は一般に「ダッシュ勢」が有利です。ダッシュ勢とは4~6コースの艇のこと。
第1ターンマークまでの助走距離が長いことから、この呼び方が定着しました。
そんなダッシュ勢にとって向かい風が有利な理由は、向かい風によってスロー勢(1~3コース)がふだん以上にスピードを出しにくくなるためです。
もともとスロー勢は助走距離が短いことからスタートダッシュを決めにくいものですが、向かい風であればその傾向はより強まります。
その間にダッシュ勢がスタートダッシュを決め、「まくり」で勝利する展開が増えます。
風速2~5mなら勝つ確率が上がる
一見すると、ダッシュ勢も向かい風の影響を受け、スピードダッシュがうまく決まりにくいように思えるかもしれません。しかし、ダッシュ勢は助走距離が長い分だけスタートを調整する余裕があります。
また、風速2~5m程度であれば、スタート直後からスピードを出しているダッシュ勢にとって影響は少ないといえるでしょう。
向かい風の注意点
上記のように、向かい風はダッシュ勢に有利に働きます。
しかし、だからといって「向かい風が吹いている=アウトコースが必ず勝つ」とは限りません。
風速次第では、スロー勢が変わらず有利なこともあります。
風が弱い場合の注意点
近年では、ボートに搭載されるモーターの性能は年々向上しています。
多少の向かい風では、インコースもほとんど影響を受けることなくスタートダッシュを決めることができるでしょう。
風が強すぎる場合の注意点
では、向かい風が強ければダッシュ勢が必ず勝つのでしょうか。結論からいうと、実はこれも間違いです。
風速が強くなる、具体的には6mを超えると、競走水面が大きく波立ちやすくなります。
そのため、ダッシュ勢にとっても走行しにくい水面となり、お互いに不利な状況になるのです。
まとめ
向かい風が吹いている場合は、基本的にダッシュ勢に有利に働くと考えて問題ありません。
しかし、風速があまりに弱い場合はスロー勢が風をものともせずにそのまま逃げ切る、逆に強すぎる場合は水面が波立ち、ダッシュ勢にとっても走りにくい状況になる、といったことも考えられます。
風向きだけでなく、風速もしっかり確認しておきましょう。