【ルール変更】不良航法の減点数と男性レーサーの最低体重が変更に

日本モーターボート協会は4月1日を初日とする全てのレースで不良航法による減点数を現行の7点から10点へと変更すると発表しました。
減点数を増やすことで人身事故の減少を目的としています。

同時に男性レーサーの最低体重を51キロから52キロへと引き上げるとも発表されました。
こちらに関しては選手の健康面への配慮と身体能力を存分に発揮することで事故を防ぐことを目的としています。
適用は11月1日を初日とする全てのレースからとなる予定です。

なお、女性選手は現行の47キロのままで変更はありません。

不良航法とは?

競艇ではレース中に挺同士の接触が起こることは珍しいことではありませんが、ダンプ(先行している挺に対して自分の挺を意図的に当て相手を外側に飛ばし、自分はその反動で内側に残る、または前に出る行為)のように危険を伴う走法に対する処置が不良航法です。

しかし、全てのダンプに対して不良航法が取られるわけではなく行われた状況や飛ばされた挺の状況などによって、不良航法となる場合とならない場合があります。
競艇場などで基準が異なり競艇ファンの間でもダンプや接触があったレースの後に

「あのダンプは不良航法では?」
「あの接触で不良航法なの?」

とSNS上などで議論になることも少なくありません。

スタート事故(フライングや出遅れ)であれば事故を起こした選手の舟券は返還となりますが、不良航法の場合は舟券の返還は行われません。
事故を起こした選手だけでなく、被害にあい順位を大きく落とした被害者側の選手であっても同様です。

競艇選手の体重について

競艇では体重が軽いほうが有利とされています。
その理由についてですが、体重が軽いほうがボートのスピードが乗りやすく体重に5キロの差は1挺身に相当すると言われており、体重に比例し平均展示タイムが遅いというデータもあるためです。

体重が重たいと荒れた水面でボートが安定するというメリットもあるため、一概に体重が重いことが悪いとは言えませんが現在は51キロの最低体重付近で調整する選手が多いです。
男性レーサーの最低体重は2015年にも50キロから51キロに引き上げられており、5年ぶりの変更となりそうです。

競艇の最低体重というルールは最初からあったものではなく途中から追加されています。きっかけは1987年に行われたボートレース オールスターで優勝した野中和夫選手と言われています。
野中選手は少しでも体重を軽くするための2週間もの間、食事をほとんど取らずにサウナで汗を流し非常に良くない健康状態でレースに挑んでいました。

その時にトロフィーを渡した笹川良一さんが無茶な減量のことを知り、「これは良くない!対策が必要だ。」と考案されたのが最低体重と言われています。

今年はレース中に不幸な事故が起こっていることもあり、選手の健康と安全を第一に様々なルールが変更されていくことは非常に良いことだと感じました。