グランプリは1986年から始まっており、SGの中でも格式高いとされるGRANDE5の第5戦に当たるレースです。
正式名称は賞金王決定戦競走ですが、グランプリやGPと略されることが多く年間を通して活躍した(獲得賞金の多い)、ほんの一握りの選手だけが出場できる一年の総決算とも呼べるレースです。
優勝賞金は1億円と他のSGレースと比べても圧倒的に高額となっており、グランプリに出場する選手はこの1億円と栄冠を目指し1年最後のビッグレースに挑みます。
また、1億円を超える初めての賞金としてギネスにも登録されました。
レースの別名でもある賞金王決定戦の名にふさわしく、このレースを制した大半の選手がその年の賞金王になります。
他にもグランプリの優勝戦まで残り完走した選手は翌年に行われる以下のSGレースへの出場権を得ることができます。
・ボートレースオールスター
・グランドチャンピオン
・オーシャンカップ
・ボートレースクラシック
グランプリの出場条件
グランプリに出場できる選手はその年の1月1日~SGチャレンジカップの期間までに多くの賞金を獲得している上位18名のみです。
他のSGレースでは昨年の優勝者が優先的に参加できることが多いですが、このグランプリとチャレンジカップでは適用されず、獲得賞金だけが参加条件となります。
過去5年のボーダーラインは以下のようになっています。
開催年 | 順位 | 金額 | 順位 | 金額 |
---|---|---|---|---|
2015年 | 18位 | 49,770,000円 | 19位 | 48,156,000円 |
2016年 | 18位 | 53,349,000円 | 19位 | 53,021,500円 |
2017年 | 18位 | 58,409,500円 | 19位 | 57,778,000円 |
2018年 | 18位 | 57,078,146円 | 19位 | 55,700,000円 |
2019年 | 18位 | 63,661,000円 | 19位 | 61,138,000円 |
2019年は6千万円を獲得している選手でも19位となりグランプリの出場を逃しています。
今までとは違う非常にボーダーの高い年となりました。
グランプリ優勝までの道のり
グランプリは特別なレースということもあり、抽選や優勝戦までのレース構成などが異なります。
まずはモーターの抽選方法ですが、賞金ランク1~6位までの選手は2連対率上位6位のモーターから抽選を行います。
賞金ランク7~18位までの選手は2連対率が7位~18位までのモーターで抽選を行います。
モーターの性能は2連対率だけで決まるわけではありませんが、上位6選手はモーター抽選の時点で有利となるようになっています。
(グランプリ以外のレースでは全ての選手が同条件のもと平等にモーターの抽選を行います。)
次に優勝戦までの道のりですが、他のレースでは予選を行い、結果に応じて準優勝戦、優勝戦へと進む流れとなっています。
しかし、グランプリではトライアル1stを行い勝ち上がった選手がトライアル2ndに進みます。その中で7~12位の選手だった選手は最終日の順位決定戦へ、1~6位の選手はグランプリの優勝決定戦に進むわけです。
トライアル1st
賞金ランク7~18位の選手が各2回レースを行います。1回目のレースはランクに応じた枠番となり、2回目のレースは1回目の順位に合わせた枠番となります。
このトライアル1stでは賞金ランク1~6位までの選手は出走する必要はなく、次のトライアル2ndからの出走となります。
1回戦を戦わなくても良いシードという扱いになり、こちらでもモーター抽選同様に賞金ランク1~6位の選手が有利になるようになっています。
このトライアル1stのレース結果が1~6位だった選手は次のトライアル2ndに進むことが出来ます。
残念ながら7~12位の選手は残念ながらグランプリ敗退となり、同日に行われているグランプリシリーズに途中から出場することになります。
トライアル2nd
トライアル1stを勝ち抜いた6人と賞金ランク1~6位までの選手、計12名が各3回レースを行います。
1レース目は賞金ランクの高い選手が有利な枠番となりますが、2,3レース目はレースの結果に合わせて割り振られます。
トライアル2ndではトライアル1stの順位や点数などはリセットされ、トライアル2ndのレース結果によって優勝戦や順位決定戦へ進む選手が決まります。
トライアル2ndの結果が1~6位だった選手は優勝戦へ、7~12位の選手は順位決定戦へ進みます。トライアル2ndでの順位が以下のようにそれぞれのレースでの枠番となります。
グランプリ順位決定戦の枠番 | 1号艇 | 2号艇 | 3号艇 | 4号艇 | 5号艇 | 6号艇 |
---|---|---|---|---|---|---|
2ndでの結果 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | 11位 | 12位 |
グランプリ優勝戦の枠番 | 1号艇 | 2号艇 | 3号艇 | 4号艇 | 5号艇 | 6号艇 |
---|---|---|---|---|---|---|
2ndでの結果 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 |
各選手は優勝戦では1号艇に乗りたいと考えるため、トライアル2ndでは1着でも上の順位を目指して走るため2着、3着争いがより目の離せない展開となります。
グランプリの結果まとめ
過去のグランプリの結果をまとめてみました。
開催 | 開催競艇場 | 優勝者 | 着順 | 2連単払戻金 | 3連単払戻金 |
---|---|---|---|---|---|
第34回 | 住之江 | 石野 貴之 | 1–2–4 | 280円 | 730円 |
第33回 | 住之江 | 峰 竜太 | 1–5–3 | 790円 | 2,220円 |
第32回 | 住之江 | 桐生 順平 | 1–2–3 | 340円 | 940円 |
第31回 | 住之江 | 瓜生 正義 | 1–4–2 | 740円 | 2,290円 |
第30回 | 住之江 | 山崎 智也 | 1–3–2 | 550円 | 2,050円 |
第29回 | 平和島 | 茅原 悠紀 | 6–4–1 | 16,530円 | 51,680円 |
第28回 | 住之江 | 池田 浩二 | 1–2–3 | 340円 | 1,070円 |
第27回 | 住之江 | 山崎 智也 | 4–1–2 | 1730円 | 5,430円 |
第26回 | 住之江 | 池田 浩二 | 1–4–2 | 440円 | 1,380円 |
第25回 | 住之江 | 中島 孝平 | 2–3–4 | 4000円 | 16,070円 |
過去10回のレース結果を見ると
1号艇の1着率:70.0%
1号艇の2連対率:90.0%
と1号艇の強さが際立ちますが、第29回(2014年)は3連単で51,680円と超高配当になっています。
グランプリは住之江で行わることが多く、7年に1回ほどの割合で他の競艇場で行われるペースとなっていますが、第29回は平和島で行われています。
住之江は全競艇場の中では1号艇の勝率は平均より少し高めですが、平和島での1号艇の勝率は全国平均以下と荒れる展開を予想された方もいらっしゃるとは思いますが、その予想を超えるほど難しいレースだったのではないでしょうか。
このように実力者が集まるグランプリであっても波乱は起こるため、選手や競艇場、その日のコンディション、モーターの良し悪しを総合的に判断し予想をすることが重要です。